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領内を平和に治めること 沢庵宗彭 不動智神妙録より

あなたは兵法において古来二人とない達人ですから、今は、官位、俸禄等、世間の評判も大変なものです。
この厚遇に対するご恩を寝ても覚めても決して忘れてはなりません。
そして、朝夕この恩に報いるため、忠を尽くすことだけをお考えください。

忠を尽くすということは、先ず自分の心を正しくし、行動を慎み、君に背くようなことは決して思ってはなりません。
また人を怨み咎めてはなりません。
毎日の仕事を真面目につとめ、家庭内では父母に孝行を尽くし、
夫婦の間柄も清浄に、礼儀正しくし、他の女を愛したり、色道に走ったりせぬことです。
さらに、親としては威厳を以て道に従うことです。

また、下の者を使う際には、私情をさしはさんで別けへだてをしたりせず、善人を使いこれを重く用いて、
自分の足りない所を反省し、領地の政治を正し、善からぬ者を遠ざけるようにすることです。
そうすれば、善き人々は日ごとに前進し、善からぬ者も主人が善を好むことによって感化され、
次第に悪を捨てて善にかわっていくものです。

このように、君臣、上下が善人であって、欲も少なく、奢りもないとなれば、
領内は富み、民も豊かになって、うまく治まります。
子が親に心から親しみなつき、下の者が、まるで手足のように上のために働くようになれば、
領内は自然と平和になるでしょう。それこそ忠の初めであります。


不動智神妙録 (現代人の古典シリーズ 7)

江戸時代の身分の差があったころは、確かに現代とは違う時代だが、
実はあまり変わっていないのかもしれない。

給料、名声、両親、伴侶、子供、部下。
領地や領民は存在しないにせよ、自分の周囲には沢山の人々が存在する。
「私情をさしはさんで別けへだてをしたりせず、善人を使いこれを重く用いて、自分の足りない所を反省」
「善からぬ者を遠ざける」
「善き人々は日ごとに前進し、善からぬ者も感化され、次第に悪を捨てて善にかわっていく」
個人的にこのくだりは特に好きだ。

この戒めは、あらゆる立場の老若男女にとって当てはまる所のある内容だと思う。
それぞれ得る所があればと、ここにご紹介する。
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genre : 学問・文化・芸術

tag : 沢庵宗彭 不動智神妙録

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