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第六 六守編 「六つの守り」「三つの宝」 六韜より

 文王太公望にたずねた。
「国の君主となり、人民の主となりながら、その地位を失うのは、なぜか」
「ともに政治にあたる人物をよく選ばないからです。そこで”六つの守り""三つの宝"というものがあります」

「"六つの守り"とは、何を言うのか」
 太公望が答えた。
、謀。この六つを身につけた人物のことです」
「そういう人物を選ぶにはどうすればよいか」
 太公望が答えるには、
「金を与えてみて、人を踏みつけにしないかどうか。高い地位につけてみて、人を見下さないかどうか。重い責任を与えてみて、それをやり遂げるかどうか。仕えさせてみて、隠し立てをしないかどうか。危険な目にあわせてみて、尻込みしないかどうか。問題を処理させてみて、途中で投げ出さないかどうか。これを観察するのです。
 金を与えても人を踏みつけにしないのは、のある人物です。高い地位につけても人を見下さないのは、のある人物です。重い責任を与えてもあくまでやり遂げるのは、のある人物です。仕えさせてみて隠し立てをしないのは、のある人物です。危険な目にあわせてみても尻込みしないのは、のある人物です。問題を処理させてみて途中で投げ出さないのは、謀のある人物です。

 また、君主は"三つの宝"を人に貸し与えてはなりません。そんなことをすれば、たちまち君主としての権威を失ってしまいます」
 文王がたずねた。
「その"三つの宝"とは、何を言うのか」
 太公望が答えるには、
「農、工、商の三つを言います。農民が農耕に励めば、穀物の不足することはありませんし、工人が仕事に励めば、器物の不足することはありません。また、商人が商売に励めば、財貨が国中にゆきわたります。三者がそれぞれに生業に励むなら、他国に逃げていく者もいなくなり、みんなが平和な生活を楽しむことができます。そうなれば、臣下のほうが君主より豊かな生活をしたり、国都よりも地方の町が栄えたりすることもなくなりましょう。要するに、"六つの守り"がしっかりしていれば君主の地位は安泰であり、"三つの宝"がそろっていればその国は栄えるのです」

六韜・三略 (全訳「武経七書」)
 他者には「、謀」を求め、我が身には「農、工、商」の充実を図ることを課す。

 ただ、現代に於いては圧倒的大多数が、「他者」として、組織に関与している。そして、「我が身」である君主とは組織のトップである。両方が協調し合ってはじめて強固な組織が生まれる。

 トップは「、謀」を備えなくては、他者の其れを見ぬくことが出来ない上、組織が上手く回る様に「農、工、商」の充実を図らねばならない。どちらかが欠けると、組織に属する大多数の人は不幸になる。

 トップに対して他者の立場であれば、「、謀」の実践が求められる。いや、現代では求められない。これまで組織人として所属した組織で、一カ所もこれを求められたことはない。そして、上役は「、謀」の実践を恐れて潰しにかかるのが関の山だった。それだけ、民度が低下しているのだと感じた。

 ただ、人を責めても始まらない。「、謀」を実践し続けるのみだ。これを棄ててまで、功利を求める様な生き方は、自分が許せないだけでなく、両親、先祖代々に申し訳がない。人間としてこの世に存在する意味すら失われる気がする。そして、生まれてくる子供にも、両親や祖父や祖母が背中で見せてくれた様に、私も生きなければ心の伝達は途絶えてしまう。

 この"六つの守り"と"三つの宝"が失われた時代背景で、これを実践しながら社会的に実績をあげて示さなくては、先人の知恵を証明することはできない。

 同じ時代を生きていても、悩むことは人によって違う。
「将来自分が豊かに過ごす為の悩み」
「将来自分の子供達の世代に、誤った方向へ進まない素地を布くにはどうすればよいか」
人それぞれだ。取り組み方もそれぞれ。どちらが正しいかは、その時が来なくては分からない。
あなたはどちらで生きているだろうか。

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theme : 文明・文化&思想
genre : 学問・文化・芸術

tag : 六つの守り 三つの宝 六韜 太公望 文王

comment

Secret

ほんとに・・

>上役は「仁、義、忠、信、勇、謀」の実践を恐れて潰しにかかるのが関の山だった

これは今の職場に実感です!
自慢じゃないけど、いつも潰されていますi-241

でも読ませていただいて励まされました~
子々孫々の為に頑張ります!

不屈は滅びません

hasutama 様

 嫌な経験を、hasutama様もされているようですね。
こういった共感が少ない世の中であれば、本当に良いのですが…

 ただ、hasutama様のお言葉で、私自身、励まされました。
独りではないと…。私はどんなに潰され邪魔をされても、傷つけられても、
偽りの笑みを浮かべた事は一度もありませんでした。
私はその上司からの業務命令には逆らわないが、膝は屈しないと決めていたからです。

 周囲の人間が皆膝を屈し、孤立したとて、それは意味のある、志のある孤立。
そう思って、不屈の精神で自分を磨きました。そうすると、心ある人は見ていて、理解してくれる様になりました。

 hasutama様も独りではありません。小人の下に就いたら、滅ぼせるなら滅ぼし、無理であれば屈せず志は曲げずに頑張って下さい!
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