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良匠は材を上将は士を弃(すて)ず 武田家百目録より

一多少の家来を召仕ふ心得あるもの、得手ふゑて見分、それゝゝ用事を申し付けべし、不得手の用事申つけ、ふ応我心にてはら立ハ、主人を僻る也、何なりとも人に勝れたる事有るものハ、既に楠正成常には無益の泣男扶持し置て、一戦に大功を立たり、良将は人をすてす、良匠は木をすてすといふなり

 多少の家来を召しかかえる武将に「心得」がある。家来の得意とする仕事や性格、不得意とする者をよく見きわめその上で、得意の仕事を申し付ける。

 家来に不得手の仕事を言いつけておいて、自分(主人)の思ったようにならないからといって腹を立てたのでは、家来は主人を僻むというものである。

 どんな人にも、その人の短所長所はあるものである。南北朝時代の名将といわれた楠木正成(大楠公)は、ふだん戦いには全く無縁の泣き男に扶持米(食料・給与)を与え、いざ合戦に、この泣き男を使い苦戦を戦勝に導いたという、信じられない話もある。

 立派な大将は人の使い方にすぐれている。名匠と言われる大工は、木材の良し悪し(質)によって使う場所を考え、悪い材料だからといって捨てるようなことはしない「良匠は材を棄つることなく、名君人は棄つることなし」という教えである。

武田家百目録より 武田神社にて販売
 現代の仕事は、与えられたポジションで与えられた業務を行う事で評価される、仕事ありきの職業観だ。
昔の方がもっと柔軟に行政も仕事も、人間に合わせて行われていたのではないだろうか。
人間性重視の職業観が確立されていたのかもしれない。そうなると、現在の方が、非人間的である。

 泣き男を戦術的に活用できる計略を編み出せる楠木正成公でなければ、泣き男の価値は発揮されない。だから、短所長所にとらわれていると、凡庸な用兵や人使いができないだろう。この場合、短所を利用する事で戦局を有利に運んだ例だから、長所を見ぬく以上の頭脳と眼力が必要なのだ。長所で勝っていないところに巧妙さがある。凡将は、「敵将が自軍の長所を活かせる戦術を採る」という固定概念がある。そこを、楠木正成公に巧く利用され奇計に乗せられたのだ。

 この辺り、武田信玄公、真田昌幸公へとエッセンスが受け継がれている。戦を観察するとよく解る。ただ、どの名将も、有利に戦が運べるゆとりのある戦略状況であれば、正攻法で攻めることだろう。あくまでも、「苦戦を戦勝に導いた」という場合に限られるであろう。

>「良匠は材を棄つることなく、名君人は棄つることなし」

 料理人で喩えると、腕の立つ料理人は、動物のあらゆる部位を料理に適し物で使い分け(長所を使い)、本来棄てる場所も料理の中に取り込んで(向かないと思われる仕事に活用する)活かしてしまう魔法を使う。しかも、普通では美味な部位に味で劣る部位も、工夫で美味しく食べれる様にしてしまう。(短所すら有利に使いこなす)こんな感じであろうか。

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tag : 武田家百目録 楠木正成 泣き男 人材活用 短所 長所 奇略 奇計

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