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【現代語訳で紹介】交友を択(えら)ぶ4 橋本左内 啓発録(15歳に著す)より

 益友を見定めるには、その人物が厳格で意志が強く正しいか、穏和で人情あつく誠実であるか、勇気があり果断であるか、才知が冴えわたっているか、小事に拘泥せず度量が広いかという五つの点を目当てにすればよい。こうした人物は、いずれも交際する上では気遣いが多く、世間の人からは甚だしく嫌われているものである。それとは反対に損友は、他人に諂い媚び、気に入られるように阿ることを専らとして、小利口で落ち着きが無く、軽々しくいい加減な性質のものである。

 こうした人は、いずれもすぐに心安くなれるので、世間のつまらぬ人々がその才知や人柄を誉めるものであるが、聖賢豪傑になろうと志すほどの人物は、友人を選ぶにあたって、彼らとは違った厳しい目を持たねばならない。
 これだけ兼ね備えた人間を選んでいたら、本当に現れないかもしれない。
ただ、クセのある人間は、こういう気質の可能性を秘めている。
ただの愚か者の場合もあるが、原石の可能性もあるのだ。

 損友は、世間一般に見回せば、どこにでも居るタイプで、
幕末から現代まで生き残ったタイプの人間たちである。いわずもがな。

 左内氏が言う5つの徳を持った人物を探すよりは、其の中の一つでも持った人物を、
磨いて育て、1つから2つへと増やして育むのが教育者の役割である。
そして、そういう気質を日常の言動や、其の人物の眼から見抜くのが人間学者の仕事でもある。

 でも、大体、これまでの経験で尊敬できる人物や、偉大なる人は、偶然の対面で見抜かれるか、紹介される形でしか知り合った試しがない。
それは、現代の傑物は、そうやってネットワークを広げているのだろう。
「この人になら、あの人を紹介できる」とまで認められなければ、次のステージの人格者とはめぐり合えない仕組みになっているのだ。

 ある意味怖いのだ。本物の人間や、達人たちは、一回の面会で見抜いてしまうから、似非者は即脱落する。
二度目がないから、こちらも真剣勝負で望まねばならない。
しかし、一度認められると、無私で相談に乗ってくれる貴重な存在になる。私の見てきた本物達はそうであった。
そして、彼らの共通点は、人目に目立つことを極端に避けるのだ。邪魔な俗物を避ける為にだと言う。まぁ、損友避けということかもしれない。


>聖賢豪傑になろうと志すほどの人物は、友人を選ぶにあたって、彼らとは違った厳しい目を持たねばならない。


 ここで、橋本左内氏は、凡庸な世界からとの決別を決意している。
これは、人間学だけでなく、何か志を持とうとする人間には必ず必要な瞬間である。
誰かの目や悪言や人気取りを気にしている間は、絶対に聖賢豪傑にはなれないと保障できる。
そういう人物が間違って聖賢豪傑を目指すと、途中で自業自得で殺されるか、失脚する。
歴史で嫌というほどその例を見ることができる。

 だから、別に聖賢豪傑になろうと思わない人は、志を立てず、平凡に生きるほうが幸せなのだ。
全ての人間に偉人を目指せというのは、全く持って無責任極まりない言動である。
幾ら「銅の剣」に「鉄の剣」になれと言っても、材料が違うのだ。強度で敵うはずもない。その次元である。
鉄に生まれ変わる瞬間が不可欠である。それは、凡人とは異次元に生きなければならない、
世間一般から見れば孤独で辛い立場に置かれる事も覚悟しないといけないと言うことだ。

 現に、この橋本左内氏は、井伊直弼の画策により将軍継嗣問題に介入した事が問われ小塚原刑場にて斬首。安政の大獄である。享年26。若すぎる死。「鉄の剣」の宿命である。
墓は吉田松陰などとともに南千住の回向院にある。先日、お参りしてきたが、坂本竜馬氏などに比べると印象が地味な為か、お供え物などはなく、ひっそりと墓所があった。

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tag : 橋本左内 啓発録 人間学 心得 交友を択ぶ

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